【ソウル大貫智子】北朝鮮の故金日成(キム・イルソン)国家主席生誕記念日の15日、北朝鮮は祝賀ムードに包まれた。記念日を前に弾道ミサイル発射の構えを見せていたが特異な動きはなく、交渉力を高めるため日米韓の動きを見ている可能性もある。
朝鮮中央通信によると、平壌中心部の「万寿台(マンスデ)の丘」に建つ金国家主席と故金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像の前に多くの市民が献花。韓国政府内には、軍事パレードが行われるとの見方もあったが、15日夜現在、北朝鮮メディアは報じていない。
日米韓などは中距離弾道ミサイル「ムスダン」などの発射があると見て警戒態勢を取っているが、韓国メディアによるとミサイル発射に向けた動きは止まったままだ。
韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は15日、ソウルでの講演で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記体制について「以前よりも予測できる可能性が非常に低い」と述べ、今後の出方を読むのは難しいとの考えを示した。
国防省報道官は15日、「10日以降、ミサイル発射がありうると見てきたが、(現在の緊張状態が)長引くかもしれない」と話した。
北朝鮮情勢に詳しい尹徳敏(ユン・ドクミン)韓国国立外交院教授は「4月末で米韓合同軍事演習が終われば、米国との対話や日米韓に支援を求めるなど新たな局面に入るかもしれない」と述べ、北朝鮮が出口戦略を模索している可能性を指摘した。
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